台風と温帯低気圧と熱帯低気圧の違いは?台風から変わっても油断は禁物!

台風と温帯低気圧と熱帯低気圧の違いは?台風から変わっても油断は禁物! 天気・自然

 

梅雨が明け、いよいよ本格的な夏がやってきます。

 

 

楽しい夏休みの計画を立てている人も多いのではないでしょうか?

 

 

「夏といえば青い空に入道雲!」

というイメージですが、実際は天気がコロコロと変わる季節だったりします。

 

 

大雨や台風にも、注意が必要です。

 

 

ところで台風が来る時、天気予報でこんな言葉を聞いたことはありませんか?

 

 

「日本の南の海上で熱帯低気圧が発生しました!」

 

「台風〇号は温帯低気圧に変わり…」

 

「確かによく耳にはするけど、正直なんのことかよく分からない…」

 

 

と、いう人も多いのではないでしょうか?

 

 

そこで、今回は、

「どういう経緯で台風が生まれるの?」

「台風に関係する熱帯低気圧や、温帯低気圧って何?」

と、いうことについて、学んでいきましょう!

 

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こんなふうにして台風は生まれる!

 

まず、台風と熱帯低気圧、温帯低気圧の関係性ですが、「台風が生まれてから消えるまで」を考えると、分かりやすいでしょう。

 

 

「熱帯低気圧」→「台風」→「温帯低気圧」or「熱帯低気圧」

 

 

簡単に表すとこんな感じ。

 

 

「熱帯低気圧」が発達して勢力が強くなったものを「台風」といい、そのあとで、単純に勢力が弱まるだけだと「熱帯低気圧」に。

 

 

異なる種類の空気が混ざると「温帯低気圧」になります。

 

 

もう少し詳しく説明すると、台風のエネルギー源って「水蒸気」なんですね。

 

 

赤道近くの海の上では、海水が温められることで、水蒸気が発生します。

 

 

これが空気中に上昇し、発達したものが「熱帯低気圧」です。

 

 

そしてそのまま勢力を増して、中心付近の最大風速が34ノット、風力が8になったものを「台風」と呼びます。

 

 

ちなみに「ノット」とは速度を表す単位。

 

 

「34ノット」は、「秒速約17メートル」を意味します。

 

 

「秒速17メートル」は換算すると、「時速約61キロメートル」にあたるんです!

 

 

一般道を走る車と同じくらいのスピードなんですね。

 

 

これが台風の「最低基準」ですから、実際はこれよりももっと強い勢いの風が発生していることになります。

 

 

そしてそのまま台風は北上します。

 

 

ですが、陸があるところに進むと、台風のエネルギー源である水蒸気があまりありません。

 

 

さらに、陸地との摩擦が起こることにより、だんだんとその勢力は弱まっていきます。

 

 

そして中心付近の最大風速が34ノットを下回ると、「台風」ではなくなってしまい、「熱帯低気圧」に戻るのです。

 

 

このとき、北からの冷たい空気が混ざり、前線ができると、「温帯低気圧」になります。

 

 

これが台風のメカニズムです。

 

 

次はもう少し詳しく、それぞれの違いを見ていきましょう。

 

 

台風・熱帯低気圧・温帯低気圧…それぞれの違いや特徴

 

それぞれの違いや特徴を、箇条書きでまとめてみました。

 

 

【台風】

・赤道近くの海上で多く発生する。

・北西太平洋にある熱帯低気圧のうち、中心付近の最大風速が

・秒速約17メートル(34ノット、風力8)以上にまで発達したものを指す。

・強風域や暴風域をともなって、強い雨や風をもたらすことが多い。

・暖かい空気のみで出来ている。

 

 

【熱帯低気圧】

・熱帯、または亜熱帯地方で発生する。

・陸上では生まれない。海上でも水温が27℃以上でないと発生しない。

・等圧線が円形である。

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・前線をともなわない。

・中心付近で風が強い。

・暖かい空気のみで出来ている。

 

 

【温帯低気圧】

・中緯度、高緯度の偏西風のもとに発生する。

・等圧線は長円形である。

・前線をともなう。

・暖かい空気と冷たい空気で出来ている。

 

 

これだけでは何のことだかよく分からないと思うので、詳しく説明していきますね。

 

 

熱帯低気圧から台風に変わる条件

 

熱帯低気圧の中心付近の最大風速が、秒速約17メートル(34ノット、風力8)以上になったら、台風になります。

 

 

これとは逆に、台風の中心付近の最大風速が、秒速約17メートル(34ノット、風力8)以下になると、熱帯低気圧になります。

 

 

実は、台風と熱帯低気圧は“仲間”なのです。

 

 

熱帯低気圧が発達したものを台風と呼び、その逆も然り。

 

 

台風と熱帯低気圧の違いは、単純に「風の強さ」の違いなんです。

 

 

台風が温帯低気圧に変わる条件

 

地球の大気は赤道から高緯度の方向に向かって流れています。

 

 

赤道の緯度が0度、北極が北緯90度、南極が南緯90度にあたります。

 

 

台風は赤道より北側の「北西太平洋」で生まれます。

 

 

要するに「0度」よりは幾分北寄りに高緯度の地域で発生するのです。

 

 

例えば「北緯15度」くらいで発生したとしましょうか。

 

 

赤道が「0」、台風は「15」よりも多い数字の方向に進んでいくので、南極側には流れず、北極の方向に向かっていくことになります。

 

 

しかし、北の方に進んで行くと空気が冷たくなってきます。

 

 

今まで暖かな空気だけをまとっていた台風に、北の冷たい空気が混ざります。

 

 

これが、「熱帯低気圧」と「温帯低気圧」の分岐点。

 

 

台風や熱帯低気圧は「暖気のみ」で作られていますが、温帯低気圧は「暖気と寒気」で作られています。

 

 

台風は北に行くにつれて寒気も巻き込んでしまうので、温帯低気圧に変化しやすい、というわけです。

 

 

ちなみに「温帯低気圧」=「熱帯低気圧“以外”の低気圧」のこと。

 

 

熱帯低気圧と台風は言わば「同一人物」のようなもので、温帯低気圧とは「別人」なのです。

 

 

ですから、温帯低気圧からは、台風は発生しません。

 

 

台風から温帯低気圧に変わっても、勢力が弱くなったという意味ではない。

 

 

「台風が台風じゃなくなったから、もう安心だ!」と、思うのはまだ早いかも。

 

 

確かに台風は温帯低気圧に変わると、勢力が弱くなり、そのまま消えることが多いです。

 

 

ですが、中には過去に、甚大な被害をもたらしたものもあるんですよ。

 

 

2004年に発生した台風18号。

 

 

この台風は長崎県に上陸した後、速いスピードで日本海を北東に進みます。

 

 

その後勢力が弱くなり、暴風域も狭くなり、北海道の西の海上で温帯低気圧に変わりました。

 

 

しかし、一度上がった気圧が、再び下がり、再発達。

 

 

温帯低気圧の中心から離れた市や町でも、強い風が吹き荒れたのです。

 

 

このように、台風が温帯低気圧に変わっても、再発達したり、温帯低気圧が持つ前線により大雨や荒天になる場合もあります。

 

 

警戒をしておくに越したことはないでしょう。

 

 

その場合、気象庁が警報や注意報を発表することもありますので、情報を得ながら用心していきましょう。

 

 

油断は禁物です!

 

 

さいごに

 

いかがでしたか?

 

 

毎年のようにやって来る台風ですが、このように意外に知らないことは多いものです。

 

 

台風シーズンがやって来る前に、台風のことを正しく理解して、被害にあわないように、気をつけたいですね。

 

 

そして、楽しく夏休みを過ごしましょう!

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