家庭菜園で作る枝豆、収穫の時が待ち遠しいですよね。
ビールのおつまみに、おやつに、塩味の効いた枝豆が一番です。
夏の風物詩とも言えますね。
ところで、枝豆を栽培しているときに、枝豆につく黒い虫を発見!
これ、何?
何の虫?
害虫?
どうしたらいいの???
と頭の中もパニック状態になってしまったことありませんか?
この黒い虫の正体を調べてみました。
そしてこの虫、どうしたら駆除できるのか?も、あわせて解説します。
目次
枝豆につく黒い虫の正体は?
枝豆につく虫はいくつか挙げられるのですが、黒い虫となると、アザミウマという虫があげられます。
夏の高温乾燥期に多く発生し、花の汁を好んで吸うので花が奇形になったり、花が開かずに落ちてしまったり、そうなると実も実りませんね。
人間からすれば、まったくもって困った虫です。
アザミウマというのは、別名スリップスとも言います。
4月から10月にかけて発生しますが、特に梅雨明けから8月にかけてが多く繁殖する時期となります。
枝豆の栽培の時期に重なりますね。
体の大きさは0.8~2.0㎜と小さくて、細長く、黒色だけではなく黄色や褐色のものもあります。
特に、花やつぼみ、そして新しい葉を好んで汁を吸うようになります。
で、このアザミウマと一言でいっても、このアザミウマにも種類があるんです。
その数、ざっと200種類…!
もちろん、その中でも植物や農作物に害を与えると言われているアザミウマは5種類くらいにしぼられますけどね。
アザミウマが花につくと、いわば体液を吸われてしまうので花が枯れてしまいます。
葉につくと、汁を吸われた部分に白い斑点ができたり、寄生葉になったりします。
アザミウマの汁の吸い方は独特で、目当ての花や葉についたら穴をあけて、そこから自分の唾液を混ぜて花や葉の細胞を破壊しながらそれらを吸い上げてエサにしているんです。
なんと独特な食べ方…そういうわけで、吸われた花や葉は落ちてしまったり変色してしまうわけなんです。
また、花や葉の内部に潜り込んでしまうので、農薬を散布してもそこまで行き届かずに退治が難しいのです。
枝豆についてしまったアザミウマを退治する方法
アザミウマを退治するにはどんな方法があるでしょうか?
手っ取り早いのは農薬をまくことですね。
農薬も行き届かないところで、繁殖してしまうことも多いこのアザミウマですが、それでも何もしないよりはいいわけですよね。
でも、せっかくの家庭菜園。
無農薬で育てたい!という気持ちもわかります。
そこで、農薬の代わりに、「ニームオイル」というものを使ってる人もいます。
ニームオイルは世界各国で認められている薬木「ニーム」からとれるオイル。
その成分の中に「アザディラクチン」というものが、害虫の寄り付きを防止してくれる働きがあるのです。
天然のものですから、安心して使えますね。
また、ハッカ油を薄めてスプレーするのも効果があるという人もいます。
ハッカ油は油なので、水で希釈する際に無水エタノールを加えれば混ざります。
水1リットルに対してハッカ油小さじ1が目安で、それ以上ハッカ油を濃くすると今度は枝豆の方がハッカ油にやられて弱ってしまいますので、濃度には気を付けてください。
他にもアザミウマの寄り付きを防止する方法はあります。
・防虫ネットを早めにかぶせる
防虫ネットを使って、トンネルを作り、枝豆などの農作物を保護するという方法があります。
100%大丈夫というわけではありませんが、役に立つでしょう。
ただし、防虫ネットを使うなら早くから使う事が重要です。
アザミウマは特にそうですが、害虫の卵は人間の目では見つけにくいことが多く、知らないうちに卵を産み付けられてしまったいる事も多々あります。
卵を産み付けられてから防虫ネットをかぶせてしまうと、そこはもはや大きな虫かご状態。
生れた幼虫は防虫ネットによって天敵から身を守ることが出来るし、防虫ネットの中にはエサも豊富にあるからみんな立派に成長してしまい、人間にとってはただの悲劇です(涙)
・雑草はこまめに除去する
農作物だけでなく、雑草の多いところも要注意です。
アザミウマは、様々な農作物や雑草の組織の中に卵を産み付けます。
そこから孵化した幼虫は、蛹(さなぎ)になる時に土の中に潜り、成虫になると植物の茎を伝って登ってきます。
雑草をこまめに抜いておけば、もしアザミウマが卵を産み付けてあったとしても、孵化する前に駆除できます。
畑に雑草が生えてきたら、こまめに除去するというのも一つの方法ですね。
・キラキラが苦手
もう一つ、アザミウマの弱点は光の反射です。
これを利用して、シルバーのマルチングフィルムを利用したり、「ワラのかわりシート」という敷き藁やマルチの代わりにも使えるものも売られています。
これらは光を反射するので、アザミウマが寄り付くのを防いでくれます。
キラキラしたシートの上では、アザミウマは上手く飛べなくなってしまうので、寄り付かなくなるわけなんです。面白いですね( ゚▽゚)
農薬を使う際の注意点
ここまで読んできて、「なんかもう面倒くさいから手っ取り早く農薬で駆除しちゃおうかな~」と考え始めている人もいるかもしれませんが、それはちょっと待って頂きたいです!
アザミウマのために安易に農薬を散布するのは、あまり意味がないかもしれないからです。
・農薬に耐性がある種類が多い
アザミウマは種類が多いのですが、その中には農薬に耐性を持つものも多いんです。
そして、同じ農薬を使い続けることによって、徐々に耐性を持つものが出てくる事もあります。
更に、アザミウマの種類によって、効果がある農薬が異なる場合も多いんです。
以上の事から、もし農薬でアザミウマを駆除したいという場合には、農薬に関する知識をしっかり持った人がいるお店で、あなたの枝豆についているアザミウマの種類を特定してから農薬を選んだ方がいいですね。
・農薬が届かない場所にいる事が多い
アザミウマは花の隙間に潜り込んで汁を吸っていることが多い虫。
しかし、繰り返しになりますが、ただ農薬を散布しても、花の奥にまで届かない事が多いんです。
蛹になる時には土の中に潜ってしまうので、農薬での駆除も出来ません。
そういうわけで、アザミウマのような虫には浸透移行性という、植物の葉や根から成分が吸収されて植物の体内に薬剤が行き渡るタイプの農薬が効果的と言われています。
まとめ
枝豆につく害虫はアザミウマだけではありませんが、他の害虫の場合でも、ニームオイルや防虫ネットなどは役に立ちそうですね。
おいしい枝豆を収穫するためには、できれば農薬は避けたいものです。
が、害虫にやられてしまっては、収穫すらできなくなることもあるので、どうしてもだめな場合は、農薬に頼ることも必要かもしれません。
虫がついたら、水で洗い流したり、粘着テープで捕まえたりという原始的な方法もありますが、退治してもしてもゾンビのようにまた出てくる害虫なので、キリがないんですよね。
より効率的で効果的な害虫退治法で実りの多い家庭菜園になると良いですね。
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