片栗粉を使って中華料理などにとろみを付けることがありますよね。
しかし時間が経つと、このとろみが消えて少し水っぽくなることも…。
どうしてとろみが消えたり、水っぽくなったりするのでしょうか?
また、水っぽくなるのを防いだり、とろみを長持ちさせる方法はあるのでしょうか?
今回は「片栗粉のとろみが消える理由と対処法」について、まとめてみました!
目次
片栗粉のとろみを復活させることはできる?
残念ながら、片栗粉のとろみは料理が水っぽくなってしまっても、復活させることは出来ません。
とろみをどうしても復活させたい場合は、料理をもう一度鍋に戻して、再び片栗粉でとろみを作る必要があります。
その場合は味が薄くなってしまう可能性があるため、調味料を足して味を付け直す必要があり、ちょっと面倒です。
あんかけや麻婆豆腐などのとろみがある料理を作る際は、食べる直前にとろみを加えるようにしましょう。
また、とろみがなくなる前になるべく早く食べるようにするといいですよ。
とろみを長持ちさせるには?
とろみを長持ちさせたいときは、片栗粉を入れたあと、しっかり加熱するようにしましょう。
片栗粉に含まれるデンプンは65℃以上で固まり始めます。
加熱が足りないとデンプンが水としっかり結合しないため、水っぽい仕上がりになってしまいます。
片栗粉を投入してから強火で1分ほど煮立たせてよく混ぜると、とろみが長持ちします。
あんがツヤツヤとして透明感が出てきたら、火を止めましょう。
ただ、あまりたくさんの時間をかけて加熱すると、水分が飛んで一瞬とろみは強くなるのですが、同時に具からも余分な水が出てしまい、結果的にとろみは弱くなります。
それから、長時間の過熱で、食材の色がくすんでしまうこともあり得ます。
いい具合にとろみを付けるためにも、時間を守ってしっかり加熱するようにしましょう。
「水溶き片栗粉」を作っておこう!
事前に水溶き片栗粉を作っておくと便利です。
時間が経っても料理にとろみがついたままの状態が保てますよ。
デンプンは水を加えて加熱すると、65℃以上で一気に水分を吸収し、膨張して粘性の高い糊状になります。
これを「糊化(こか)」と呼びます。
この性質を利用して料理に使うのですが、料理に投入する直前に水で溶いただけの片栗粉は、水分が中まで浸透しておらず、粉の表面しか糊化しません。
そのため時間が経つと簡単に液状に戻ってしまいます。
事前にじっくり中まで水分を含ませておけば、粉の中心まできちんと糊化して、液状に戻りにくくなりますよ。
また、ダマになるのが心配な人は、水溶き片栗粉を料理に加えるタイミングで一度火を止めましょう。
こうすると失敗しにくいです。
そのあと中火~弱火にしてかき混ぜながら加熱し、とろみをつけましょう。
片栗粉がない!代わりにとろみを付けられるものはある?
片栗粉はジャガイモから精製されたデンプンですので、同じように精製されたデンプン製品なら、それで代用できます。
料理の途中で片栗粉がないことに気づいた場合は試してみてください。
・小麦粉
小麦粉は片栗粉に比べて焦げやすく、調理の時間や火加減を工夫する必要があります。
また、片栗粉と比べると、若干白っぽい色が付くことがあります。
・コーンスターチ
コーンスターチはトウモロコシのデンプンから作られたものです。
こちらも小麦粉と同様に、若干白っぽい色が残ることがあります。
コーンスターチは片栗粉より粘度が低いという違いもあります。
・くず粉
くず粉は冷めると固まるという性質を持っています。
ですので片栗粉の代用として使う場合は、その料理が冷める前に食べきるようにしましょう。
・ジャガイモ
ジャガイモはすりおろして使用することで、料理にとろみを付けることができます。
料理に合うようであれば、ジャガイモで代用するのもオススメです。
片栗粉って、どんな粉?
ここで「片栗粉」について簡単におさらいしておきましょう。
片栗粉は「カタクリ」と呼ばれる植物の根から取ったデンプンで作られています。
しかし、カタクリから精製できるデンプンの量はとても少ないうえに、自生するカタクリが減少していました。
そこで、明治以降大量生産されるようになったじゃがいも(馬鈴薯)のデンプンを、片栗粉として使うようになりました。
片栗粉は主に調理用や和菓子の材料として使われています。
中華料理ではあんかけに多用されていますね。
とろみがつくので、老人や病人でも飲み込みやすくなります。
なぜ片栗粉のとろみは消える?
・加熱時間が短い
片栗粉に含まれるデンプンは水を加えて加熱することで、とろんとした粘りが出るという性質を持っています。
この性質を利用して食材にとろみを付けるんですね。
加熱時間が短いと粘りが出きらずに、とろみがすぐになくなってしまいます。
あん(片栗粉+水)にしっかり火が通ると、とろみは長持ちしますよ。
・水分が多い
水分が多い場合も、とろみが水っぽい感じになりがち。
水溶き片栗粉を作るときに水が多くてもダメですし、食材に水分が残っているのも良くありません。
水溶き片栗粉は「片栗粉:水=1:2」の割合で作るのがベストです。
また、水分が多いキャベツや豆腐、もやしなどを使う場合は、十分に加熱されていないと食材から水分が出て、とろみも水っぽい感じになってしまいます。
八宝菜や麻婆豆腐など、水分を多く含む食材で料理を作るときは、具材にしっかり火を通して、水分を蒸発させてからとろみを付けるようにしましょう。
・唾液のせい
食べ進めるうちにだんだんと水っぽくなっていくことがあると思います。
これは唾液に含まれる「アミラーゼ」という消化酵素がデンプンを分解してしまうからなのです。
もし大皿であんかけ料理などを食べる場合は、唾液がつかないように取り箸などで取り分けてから食べるようにすると良いですよ。
まとめ
片栗粉のとろみがなくなる原因は「加熱時間が短い」「水分が多い」「唾液のせい」でしたね。
とろみは一度なくなったら復活できません。
水溶き片栗粉を使ったり、加熱時間を工夫したりして、とろみを長持ちさせることはできますよ。
片栗粉がなくなっても代用品がいくつかあるので、それを使って料理をしても大丈夫です。
コツを掴んで、片栗粉をのとろみを利用した美味しい料理を作ってみましょう!
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