あたたかい料理を作るのに大活躍してくれるのが「土鍋」。
せっかくだから長く使っていきたいですよね。
「新しく土鍋を買ったときはまず目止めを!」という話はよく聞きますが、具体的なやり方を知らないと失敗してしまうかもしれません…。
そこで今回は「正しい目止めの仕方」や「失敗して焦がしてしまったときの対処法」についてまとめてみました!
目次
そもそも「土鍋の目止め」とは?
土鍋は焼物で、陶土や粘土、陶石などの土から作られています。
ですので、土鍋には目には見えない程の小さな穴がたくさん開いているのです。
この小さな穴のことを「目」と呼びます。
そしてその「目」から水が漏れたり、汚れやにおいが染み込むのを防ぐ(「止める」)ために行うのが「目止め」なんですね。
目止めの方法として「おかゆを作る」、「片栗粉を使う」などが挙げられますが、これらにはでんぷん質が含まれています。
この「でんぷん質」を糊代わりにし、目を塞ぐことで、土鍋を水漏れやにおい移りなどから守り長く使い続けることが出来るんですよ。
新しく土鍋を買ったときは、最初にきちんと目止めをしておきましょうね。
新品の土鍋を目止めする前の下準備
目止めをする前にまず、土鍋に傷やヒビが入っていないかをチェックしておきましょう。
もし傷やヒビがあった場合、目止めの前なら返品交換なども可能でしょう。
土鍋を買ったお店やメーカーに一度問い合わせてみてください。
「交換するのも面倒だし、まあいいか」とそのまま目止めの作業をしてしまうと、傷から水が染み込んだり、熱で土鍋が割れてしまう恐れがあります。
ひと通りチェックして何もなければ、土鍋を水洗いしてしっかり乾かします。
水分が残っていると、目止めの作業で土鍋を火にかけたときにヒビが入ったり、最悪破損してしまうことも。
1日程度は自然乾燥させておくようにしましょう。
目止めの仕方ですが、
・おかゆを作る
・片栗粉(小麦粉でも可)を使う
・お米のとぎ汁を使う
・牛乳を使う
と、様々な方法があります。
ひとつずつやり方をご紹介していきますね。
おかゆを作って目止めする方法
土鍋の目止めで一番ポピュラーなのがおかゆを作って目止めする方法。
おかゆに使うお米のでんぷん質で目止めする、という形になります。
それでは、段取りを説明していきます↓
・土鍋の8分目くらいまで水を入れる。
・水の量の1/5程度のご飯を土鍋に入れて、弱火で1時間程度煮込む。
この際、土鍋にふたはせず、様子を見ながら中身を時々かき混ぜてください。
また、土鍋は急激な温度変化に弱いので、必ず弱火でおかゆを炊くようにしましょう。
・火を消してそのまま一旦置く。
最低でも1時間、出来れば一晩ほどそのままにしておきます。
・中のおかゆを取り出して、水洗いする。
取り出したおかゆは食べてしまっても大丈夫です。
捨てるのももったいないですしね。
水洗いしたあとは布巾などを使って水気を取り、完全に乾くまでしっかり乾燥させましょう。
片栗粉で目止めする方法
実は片栗粉を使った方法は失敗が少ないと言われています。
片栗粉のでんぷん質は精製されたものだからなんだそうです。
それでは、段取りを説明していきます↓
・土鍋の8分目くらいまで水を入れる。
・水の量の10%程度の片栗粉を土鍋に入れて、溶け残りがないようにしっかりとかき混ぜておく。
・弱火で30分程度煮る。
様子を見ながら、途中で拭きこぼれそうになったときは差し水をしてください。
・火を消して、そのまま一旦置く。
最低でも1時間、出来れば一晩ほどそのままにしておきましょう。
・中身を捨て、水洗いする。
水洗いしたあとは布巾などで水気を取り、しっかり乾燥させます。
また、片栗粉よりは効力が若干落ちるのですが、小麦粉でも目止めが出来ます。
2で片栗粉の代わりに小麦粉を水の量の10%程度入れるだけで、あとの工程は一緒です。
お米のとぎ汁で目止めする方法
お米のとぎ汁での目止めは昔から伝わっている手法です。
おかゆや片栗粉よりもでんぷん質が少ないので効果は弱めですが、「普段なら捨てるものの再利用」という観点では良いかもしれませんね。
それでは、段取りを説明していきます↓
・土鍋の8分目くらいまでお米のとぎ汁を入れる。
・ふたをしない状態で、弱火で1時間程度煮る。
途中で吹きこぼれないように様子を見ながら行ってください。
・火を消して、そのまま一旦置く。
最低でも1時間以上、出来れば一晩そのままにしておきましょう。
・中身を捨て、水洗いする。
水洗いしたあとは布巾などで水気を取り、しっかり乾燥させます。
牛乳で目止めする方法
目止めは出来ればでんぷん質があるもので行った方が良いのですが、でんぷん質のものが手元にない場合は、牛乳でも目止めが出来ます。
牛乳には「カゼイン」という粘性があるたんぱく質が含まれているので、土鍋の目を塞ぐことが出来るんですよ。
・土鍋の8分目くらいまで牛乳を入れる。
・ふたをしない状態で、弱火で20分程度煮る。
・火を消して、そのまま一旦置く。
最低でも完全に冷めるまではそのままにしておきます。
・中身を捨て、水洗いする。
水洗いしたあとは布巾などで水気を取り、しっかり乾燥させます。
目止めに失敗してついた焦げは取れる?
目止めは物を煮込む時間が長いこともあり、土鍋をうっかり焦がしてしまうこともあるかも知れません。
買ったばかりの土鍋ですし、焦げて汚れが付いてしまうと、がっかりしちゃいますよね。
でも大丈夫!重曹やお酢、クエン酸など、身近なもので土鍋についた焦げは落とせるんですよ♪
用意するものは
・水 200ml
・重曹、酢、クエン酸のうちどれかひとつ 小さじ2杯
・カラのスプレーボトル
・キッチンペーパー
【やり方】
・水200mlに重曹(またはお酢、またはクエン酸)を小さじ2杯入れて、それをスプレーボトルに詰める。
・土鍋の焦げた部分に1を吹き付けて、その上をキッチンペーパーで覆う。
スプレーしたものをキッチンペーパーでパックする感覚ですね。
・そのまま数時間放置して、終わったらキッチンペーパーを剥がす。
・剥がしたキッチンペーパーか柔らかいスポンジを使って、焦げを擦り落とす。
この時ごしごしと力を入れて擦ると、土鍋が傷つく可能性があるのでやめましょう。
金属たわしやスプーンでガリガリ擦るのもNG!
必ず柔らかいものを使うようにしてくださいね。
おわりに
目止めは土鍋に開いている小さな穴=「目」を塞ぐ(止める)ために行う作業です。
面倒だと思うかもしれませんが、これをやっておくことで土鍋を長く使うことが出来ますよ。
目止めの仕方は様々。自分に合った方法でやってみてくださいね。
目止めをした土鍋で美味しい料理をたくさん作れば、寒い時期も楽しく過ごせそうですね♪
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