秋の味覚はたくさん思い浮かびますが、その中でも王様はやっぱり「松茸」ですよね!
しかし、国産の松茸はとても高価で、なかなか手が出せません。
国産松茸が高いのは、何か理由があるのでしょうか?
今回は「国産の松茸はなぜ高いか?」について、まとめてみました!
目次
国産松茸が生える場所とお値段の相場
まずは、日本における松茸の生態について簡単に説明していきますね。
松茸は「アカマツ」という松の木の根元に生えるキノコです。
松茸が生育する時期ですが、これには地域差があり、東北地方などの寒い地域では9月初旬頃、九州などの比較的暖かな地域では11月頃まで発生します。
主な産地としては、岩手県、山形県、長野県、京都府、兵庫県、和歌山県、岡山県、広島県などが挙げられます。
キノコは通常、栄養のある腐葉土に生息しますが、松茸はあまり栄養のない、比較的乾燥して痩せた土を好みます。
国産松茸の値段はなんと、1㎏あたりおよそ3~10万円!
A5ランクの国産牛肉が1kgあたりおよそ3000~4000円程度なので、まさにケタ違いの高級食材なんですね。
国産松茸が日本で食用キノコの王様と位置付けられているのも納得です。
国産松茸の量は減少している!?
そんな松茸ですが、実は世界的に見ても成育量が著しく減少しているということをご存知ですか?
特に国産のものはどんどん収穫量が減っていって、現在では純国産松茸の流通量は、全体のわずか5%程度!
どうしてこんなに収穫量が少なくなってしまったのでしょうか?
その理由は「プロパンガスの普及」にありました。
私たちは生活する上で火を使いますよね。
その燃料として、ガスや電気が使われています。
ですが、昔はプロパンガスなど身近にありませんから、山里に住んでいる人たちは火をおこすための木や柴、枯葉などを取りに頻繁に山に入っていたのです。
先程も少し説明しましたが、松茸は栄養の少ない、比較的乾燥した土地を好みます。
昔はそうやって人が山に入ることで、枯葉や枯れ枝がたまりすぎることもなく、松茸の生育に適した状態の土が保たれていました。
しかし、プロパンガスが普及して人が山に燃料を取りに行かなくなると、枯葉や枯れ枝がたまって腐葉土となり、松茸の生育には厳しい状態となってしまったのです。
「それなら人工栽培すればいいんじゃない?」
と、思う人もいるかも知れませんね。
実際、しいたけなどは人工栽培も盛んです。
しかし、実は松茸は、人工栽培が出来ないキノコなのです。
その理由を、次に解説していきますね。
松茸の人工栽培が出来ないのはなぜ?
最近はIT技術やAIなどの人工知能技術など、私たちが驚くような技術が進化を遂げています。
しかし、そんな最先端の技術や開発ができるこの世界でも、松茸の生態には未だ謎が多いのだとか。
「自然発生した松茸を収穫すると、翌年も同じ場所に自然と生えてくる」と言われていますが、それがどういうメカニズムで発生するのかが、はっきりとは解明されていないそうなんです。
ちなみに、フランス料理でよく使われる「トリュフ」もキノコですが、こちらも松茸と同じく人工栽培が出来ません。
だから希少価値が高く、高額取引されているんですね。
松茸は昔、安価なキノコだった!?
松茸は腐葉土の少ない、栄養がない乾燥した土壌を好んで生育するキノコですが、他のキノコはどうなんでしょうか?
実は他のキノコ類は松茸とは逆で、枝や葉がたくさん落ちていて、栄養を含んだ土を好みます。
昔は松茸の生育に適した土質だったため、他のキノコ類はあまり採れなかったんだそう。
今では手に入りやすい価格のしいたけが、昔は松茸よりも高値で取引されていたそうなので、びっくりですよね。
昔の日本料理の本にも「松茸はフライにしてウスターソースをかけて食べるのが一番美味しい」という旨の記述まであったそうですよ。
それはそれで美味しそうな気もしますが、松茸は今となっては高級食材。
ウスターソースをかけて食べるのは、ちょっと気が引けます…^^;
でもそれだけ昔は松茸が珍しいものではなかった、ということですから、ちょっとうらやましい気もしますね。
外国産の松茸、風味はいかに?
国産松茸は高級なので、なかなか入手は難しいですよね…。
ならば、外国産のものはどうなんでしょうか?
比較したところ、外国産は国産のものより風味が落ちてしまう傾向があるようです。
これがなぜかと言うと、法律で「キノコ類を輸入する際は、キノコに付着する土を落とす」ということが義務付けられているからです。
土を落とすのは、外来種を持ち込まれることを防ぐため。
その際の洗浄作業で、松茸の香りが飛んでしまうのです。
「マツタケオール」を活用して秋の味覚を味わおう
しかし、そんな外国産の松茸でも、工夫すればより美味しく食べることができます。
松茸に含まれるいい香りの成分「マツタケオール」を使うのです!
「マツタケオール」とは松茸の香りの主成分で、その約6~8割を占めています。
これが、他のキノコ類やビール、味噌などにも含まれています。
中でも枝豆には多くのマツタケオールが含まれていて、加熱することで強い香りを放ちます。
外国産松茸と枝豆で炊き込みご飯を作ってみると、風味豊かで美味しい松茸ご飯が完成!
ビールにもマツタケオールは入っていますから、ついでにビールも添えれば、しっかり秋の味覚を堪能できますよ。
是非、試してみてくださいね♪
おわりに
国産松茸が高価な理由が「プロパンガス」にあるとは意外でしたね。
高級品でなかなか手が出せない国産松茸。
しかし、外国産でも工夫すれば十分美味しくいただけますよ!
是非試して、秋の味覚を満喫してくださいね♪
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