寒い時期に大活躍する土鍋ですが、皆さんこんな話を聞いたことはないですか?
「土鍋は洗剤を吸収するから、洗剤を使ってはいけない」
これって本当なんでしょうか?
また、洗剤がNGだとしたら、どうやって土鍋のお手入れをすればよいのでしょうか?
今回はこちらについてまとめてみました。
目次
土鍋は本当に洗剤を吸収するの?
土鍋は陶土や粘土、陶石などの土からできています。
そのため、見えないくらいの小さな穴がたくさん開いているのです。
物にもよりますが、土鍋はだいたい10%程度の吸水率があるんだそう。
これにより、調理をする際、食材の乾燥を防ぐことができるという利点があります。
しかし同時に土鍋を洗うときに長時間洗剤に浸してしまうと、土鍋の穴から洗剤が吸収されるという欠点も生まれてしまうのです。
洗剤が吸収されるといっても浸け置きしてしまった場合、「水+洗剤」の10%なので量としてはごく少量なのですが、それでも土鍋は調理道具。
そのあとそのまま使うのは、ちょっと心配になってしまいますよね。
ただ、とある土鍋メーカーによると、洗剤をごく少量、短時間使うくらいなら問題ないそうです。
NGなのは長時間洗剤に土鍋を浸してしまうこと。
ササッと手早くお手入れを済ませてしまえば大丈夫なようですね。
それでも「洗剤を使うのはやっぱり不安…」という人もいると思います。
そこで、「洗剤を使わない土鍋のお手入れ方法」をご紹介します!
基本的な土鍋のお手入れ方法
土鍋のお手入れですが、比較的軽い汚れなら水で十分落とせます。
用意するものはスポンジと乾いた布巾だけ。
工程を説明していきますね。
- 水で土鍋をしっかり洗います。
このときは金属たわしなどは使わずに、必ずスポンジで洗うようにしてください。
金属で土鍋をガシガシと擦ると、ひび割れなどの原因になります。
洗い終わったら布巾でしっかりと水気を拭き取って下さい。
- 土鍋を火にかけて空焚きします。
水気が取れたら今度は土鍋を火にかけて空焚きします。
弱火で15秒程度を目安に行ってください。
こうすることで土鍋についた水分が飛び、しっかり乾燥させることができます。
ただ土鍋は急な温度変化に弱いため、長時間空焚きすると土鍋が割れる恐れがあります。
「弱火で約15秒」、これを必ず守ってくださいね。
- そのまま一晩おいておきます。
空焚きしたあとは土鍋をすぐしまわず、一晩おいて空気に触れさせます。
土鍋はしっかり乾かさないと、ひび割れなどが起こる可能性があるからです。
優しく洗ってしっかり乾かすことで、土鍋を長く使うことができますよ。
しつこい汚れは重曹で落とす!
水だけでは落ちない頑固な汚れは、重曹で落とすことができます。
重曹ならお料理にも使いますし、土鍋のお手入れに使っても安心ですよね♪
まず、大さじ2杯程度の重曹を用意してください。
それに少量の水を入れて練り、ペースト状にします。
重曹ペーストを土鍋に塗り付け、スポンジで優しく洗ってください。
洗い終えたら水で流し、乾いた布巾でしっかり水気を拭き取りましょう。
あとは基本のお手入れ方法でご紹介した空焚きをして乾燥させればOKです。
うっかり洗剤に浸してしまったら?
洗剤に浸してしまうのはNG行為ですが、「うっかりしていて、つい…」というときもあるかも知れませんね。
そんなときは土鍋に水を張って、一度沸騰させます。
沸騰したら火を弱め、冷ましてから水を捨てましょう。
これを2、3回繰り返すことで土鍋の穴の中に入ってしまった洗剤成分が出ていきます。
ただしこれは緊急手段であり、土鍋を長持ちさせるためにはやはり洗剤に浸す行為は好ましくありません。
「土鍋に洗剤はなるべく使わない!使ったとしてもごく少量を短時間で!」
これを心がけてお手入れをするようにしましょうね。
お手入れをするときの注意点
土鍋をお手入れする際に気を付けておきたい点がいくつかあります。
急激な温度変化に注意
土鍋は急激な温度変化に弱いため、強火で一気にガッと熱を加えたり、熱いまま水に浸したりすると、ひび割れの原因になります。
先程「洗ったあとは空焚きを」と説明しましたが、あれはあくまで「弱火で短時間」の話。
強火だったり、長時間の空焚きは厳禁です。
クレンザーや金属たわしは使わない
土鍋は焼物なので、製造段階で釉薬(ゆうやく)という「うわぐすり」がかけられています。
金属たわしのような固いもので土鍋を擦ると、この釉薬が剥げてしまい、ひび割れの原因に。
土鍋のお手入れには柔らかいスポンジなどを使うようにしましょう。
そして、クレンザーには研磨剤という粒子の大きなものが入っているので、使うと土鍋が傷ついてしまいます。
ですので、クレンザーの使用も避けてくださいね。
土鍋はしっかり乾かそう
土鍋は水分を吸収しますので、水分が残っているとカビや嫌なニオイの原因になります。
ですので、片付ける前にはしっかり乾かしておく必要があります。
特に底の部分はそのまま置くと乾きにくいので、何かに立てかけるようにして土鍋の内側にも外側にも風が通るようにするといいですよ。
できれば1、2日程度そのままにして、しっかり乾燥させましょう。
長期間使わないときは
お鍋をしない時期など、土鍋を使わずにしまっておく期間が長い場合は、湿気に気をつけましょう。
床下収納などは湿気が溜まりやすいので避けた方が無難です。
風が通りやすい場所にある戸棚などに保管するといいですよ。
また、しまうときは新聞紙でくるんだり、乾燥材を入れたりしておくと、それぞれが湿気を吸収してくれるのでオススメです。
おわりに
土鍋はほかの調理器具とは違い、土から作られています。
その分なんだかあたたかみがありますよね。
少しお手入れにはコツが要りますが、手をかけた分、愛着も湧いてきます。
せっかくなので長く使っていけるように、お手入れはしっかりしてあげましょう。
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