秋の味覚の王様と言えばマツタケ!
「国産のマツタケは買うと高いし、マツタケ狩りにでも行こうかな!
でもちゃんと採れるのかな…?」
と考える人もいるのではないでしょうか?
そこで今回は「マツタケを探す時のポイント」「マツタケ狩りに行くときの注意点」をご紹介します!
目次
マツタケってどんなキノコ?
マツタケを探す前にまず「マツタケがどんなキノコか」ということを知っておきましょう。
マツタケはキシメジ科のキノコ。主にアカマツの根元に生えています。
人工栽培ができないため希少価値が高いとされています。
一般的にキノコは木が多く腐葉土があり、栄養がある場所を好んで発生するのですが、マツタケは逆。
腐葉土のない、痩せて乾燥した土を好みます。
ですので無駄な枝が払ってあったり、落ち葉が掃かれていたりと、適度に人手が入った場所に発生する場合が多いのです。
マツタケが取れる場所は?
では、マツタケが発生していそうな場所や条件をご紹介していきますね。
西または南西方向から日が当たる場所
キノコは西日が当たる場所に生えることが多いです。
昔の人は、松茸を取りに行く前に西または南西の方向から日の光が射しているかを確認してから、山に入っていたそうですよ。
花崗岩があり、それが真砂土になっている山
「花崗岩」とは「御影石(みかげいし)」とも呼ばれています。
こちらの方が耳馴染みがあるかも知れませんね。
磨くと光沢が出るため、石碑や墓石、建築・土木用材などに使われています。
花崗岩が風化すると「真砂土(まさつち、まさど)」と呼ばれる白っぽくてザラザラした土になります。
こちらは園芸などでよく使われていますね。
このような地質の土を松茸は好むと言われています。
直径が30~40㎝、樹齢30年~70年くらいのアカマツがある場所
マツタケはアカマツの根に寄生するので、アカマツがないところにはまず生えてきません。
マツタケはアカマツが土から水分や養分を吸収するのを助け、その代わりにアカマツから炭水化物をもらいます。
マツタケとアカマツは共生関係にあると言えますね。
マツタケが発生するのはアカマツの樹齢が30年~70年くらいの間が多いと言われています。
ちなみに松の直径は30㎝~40㎝くらいが良いとされ、太すぎても細すぎてもダメなんだそうです。
落葉や枯れ枝が地面を覆っていない場所
マツタケの菌糸は雑菌に弱いです。
松の枯葉が厚く積もって腐葉土になると、土に栄養が多く含まれて雑菌が繁殖します。
ですので雑菌に弱いマツタケの菌糸は負けてしまうんですね。
無駄な枝や落ち葉が払ってある、適度に人の手が入った山の方が、マツタケが生えている可能性が高いのです。
雑木林は望みが薄い
マツタケは落ち葉の少ない痩せた土地を好みます。
雑木林にはアカマツ以外にもコナラやクヌギなどの木がたくさん生えていますから、その分落葉し腐葉土も多くなります。
マツタケはそのような場所では生育できないので、雑木林にはマツタケは生えていないと思ってもいいでしょう。
斜面を下から上に見て「シロ」を見つける
「シロ」というのはマツタケの菌糸とアカマツの根が一緒になった塊のことです。
マツタケはこの「シロ」に沿って生えてきます。
シロの場所を知らなければ、マツタケを見つけることがなかなかできないと言われています。
ちなみに、アカマツの管理をしている農家さんやマツタケ採り名人なんかは、シロがある場所をよく知っているそうですよ。
シロがある場所にマツタケは生えますが、シロは土の中で育っているため、上からはなかなか見つけることが出来ません。
なので上からではなく、なるべく目線を低くして下から見上げるように探すと良いでしょう。
尚、シロが破壊されるとマツタケが生えなくなってしまうので、足で踏んだり土を掘り返したりしないようにしましょう!
歩き回らず、しゃがんでアカマツの根辺りを探すといいですよ。
マツタケを1本見つけても慌てない
マツタケを1本見つけたら、その周りや近くにも生えている可能性が高いです。
慌てずに地面を見ながら前に進んでいきましょう。
2本目を見つけたら、1本目2本目の場所をつないで円を描いた場所を探してみると、他のマツタケも見つけやすくなります。
これはシロが地中でリング状に育っていくからなんですね。
松の根は遠くまで伸びていることがあるので、根元から離れた場所や、松の根が通っている他の木の根元に生えていることもありますよ。
松茸探しに行くときの注意点
採取する場所は私有地かも?
マツタケ狩りができるスポットは予約なしの場合、入山を断られる場合がよくあります。
ネットや雑誌で営業時間など、条件を事前に確認してから、予約して出かけるようにしましょう。
ちなみに「止山」に無断で入ってはいけません。
「止山」とは「権利がある人以外入山してはいけない山」のこと。
個人の所有地だったり、山の権利を買っている「山主」がいたりします。
無断でキノコを採れば窃盗罪になり、捕まる可能性だってあるのです。
ですので、一般の人は観光向けのマツタケ狩りスポットに行くようにしましょう。
(山の所有者と知り合いで許可をもらっている場合は、止山に入山しても大丈夫です)
マツタケの持ち帰り
採れたマツタケは自由に持ち帰ることができる所もありますが、買取になるケースもあります。
宿泊施設などを利用することが条件の場合もあったりと場所やプランによって様々ですので、こちらも事前に確認しておきましょう。
松茸狩りに適した服装
・衣類
マツタケ狩りは登山ですから、「登山服のイメージ」と言えば分かりやすいかもしれません。
服装は長袖・長ズボンが必須です。
普段と同じような格好は避けて、出来るだけ肌の露出を抑えてください。
また、黒い色を身に付けるのはNGです。
スズメバチは黒い色に反応して寄ってくるという習性があるからです。
・帽子
マツタケ狩りに行くのは秋で、涼しくなってきた頃ですが、陽射しが強く暑い日もあります。
スズメバチなどの虫から頭を守る役割もあるので、帽子も忘れずにかぶっていきましょう。
・長靴
山の斜面を歩くので、しっかり踏み込める長靴を履くのが良いでしょう。
また、秋は虫や動物が活発に活動する時期。
ムカデや蛇などに遭遇する可能性もあるので、足元にも備えが必要です。
・リュックサック
山登りはとにかく両手が自由に使える状態の方が便利です。
転びそうになった時などもすぐに手をつけるので、安心ですよね。
必用なものはリュックサックに詰めて、持ち運ぶようにしましょう。
松茸狩りに必要な持ち物
以下が最低限持って行った方が良いもののリストです。
・方位磁石
・雨具
・タオル
・飲み物
・充電済みの携帯電話
・虫よけスプレー
・クマよけの鈴やラジオ(音が出るもの)
・杖やストック(あると歩くのが楽です)
・ごみを入れる袋
・採れたマツタケを入れる袋
・メモ・筆記用具
クマや蜂には十分気をつけて!!
山にはクマがいる可能性があります。
マツタケ採りは山の奥の方まで行く場合もありますし、最近はクマの方が人郷近くに現れることだってあります。
クマは温厚な動物ですが、いきなり人と出くわしてしまった時などは、驚いて襲ってくる場合があります。
臆病な性格で大きな音を嫌がると言われているので、クマよけの鈴やラジオなど、音の出るものを持っていきましょう。
木を叩いたり、大声でしゃべりながら歩くのもいいですよ。
また、蜂はとにかく「黒」という色に反応します。
これはハチにとっての捕食者の色が黒だからなんですね。
ですのでマツタケを採りに行くときは、黒い色を身に付けるのはやめましょう。
もし蜂や巣を見つけても、大声で騒いだりつつこうとしたりせず、静かにそーっと立ち去るようにしましょう。
また、香水をつけて行くのもやめてください。
香水に含まれる物質が、スズメバチたちの攻撃フェロモンと同じ物質なんだそうですよ。
間違えて蜂が襲ってくる可能性があります。
もし蜂に刺されたら医師の手当てを受けるまでの応急処置として「ポイズンリムーバー」という毒吸引機を持っていると便利です。
患部に当てて毒素を吸い出すことができるもので、アマゾンなどで1000円くらいで売っています。
しかし、あくまでも応急処置ですので、下山したら速やかに医療機関を受診するようにしましょう。
その他の注意点
・自然を侮らないこと
最近では観光用に整備された山も多いですが、自然を侮ってはいけません。
上がってきた道を下っているつもりでも、気がついたら別の場所に出てしまった、なんてことも。
山奥では携帯電話も圏外になることもありますし、下手をすれば遭難してしまう可能性もあります。
必ず方位磁石を持って行ってメモを取るなどして、十分注意しながら入山しましょう。
・毒キノコに注意!
マツタケはパッと見て判別しやすいキノコですが、他のキノコが食用のものとは限りません。
下手をすれば毒キノコに当たる場合だってあります。
マツタケだけを採るのなら大丈夫ですが、他のキノコも一緒に収穫するなら、必ずキノコに詳しい人と一緒に行くようにしましょう。
・トイレは入山前に済ませておこう
山の中には普通トイレはありません。
入山前にふもとで必ず済ませておきましょう。
おわりに
今回は「マツタケを探す時のポイント」「マツタケ狩りに行くときの注意点」についてご紹介しました。
ポイントはたくさんありましたが「マツタケはアカマツがあって、ある程度人の手が入った山に生える」ということを知っておくだけでも、役に立つと思いますよ!
山に入るときはしっかり準備をして、安全を確かめながら登ってくださいね。
楽しいマツタケ狩りになりますように!
コメント