冬は、大根がおいしい季節です。
食卓に上がる機会も増えますよね。
ですが、特に生で食べるときに、においを感じたことはありませんか?
今回は、大根のにおいの正体やにおいを取り除く方法などをご紹介します。
大根のにおいが気になっている方は、今後調理する際の参考にしてみてください。
大根のにおいを消す方法
料理をおいしく食べるためにも、大根のにおいをなんとかしたいですよね。
調理中に少し手間を加えるだけで、においを抑えられます。
それでは、確認していきましょう。
◎皮をむくときに、厚めにむく
皮をむく段階から、におい対策は始まっています。
通常、野菜の皮をむくときはできるだけ薄くむきますね。
ですが、大根のにおいを消したいときは、厚めにむきます。
厚みは、5mmほどが目安です。
輪切りの大根をよく見ると、皮の近くに線があります。
そこを基準にしても良いです。
ところで、いくらにおいを消すためとはいえ、むいた皮がもったいないですよね。
そこで、皮はまた別の料理に活用してみましょう。
よくあるのは「きんぴら」です。
他にも、漬物にしたりパスタ風にしたりといった活用方法があります。
◎水にさらす
サラダなど生で食べる機会が多い場合は、きちんと水にさらしましょう。
メチルメルカプタンが水に溶けだすので、においがなくなります。
水切りをしっかり行うのも忘れないでくださいね。
◎下茹でをする
大根は、煮物に使うことも多いです。
その際は、いきなり煮るのではなく下茹でをしてからにしましょう。
皮を厚めにむいたあと、切った大根に切り込みを入れて茹でていきます。
できれば、米のとぎ汁を入れて茹でてみてください。
水だけよりにおいを取る効果が高まります。
茹で時間は、つまようじなどがスムーズに通るまでが目安です。
時間がないときは、電子レンジで加熱しましょう。
◎調味料を多めに入れる
単純な方法ですが、調味料を多めに使うとにおいが気にならなくなります。
特に、先ほどご紹介した皮を使った料理に有効です。
味見はしっかり行いましょう。
◎大根おろしにするときは…
大根の代表的な使い方の1つと言えば、「大根おろし」です。
大根おろしのにおいを消すには、以下の方法があります。
・絞ったあと水洗いする
大根おろしを水洗いするとは、少しイメージが掴みづらいですね。
まずは、布巾などで大根おろしを絞ります。
このとき、しぼり汁は捨てないでおきましょう。
絞った大根おろしを水で洗い、もう一度よく絞ります。
ただ、このままだとみずみずしさがなくなったままです。
そこで、盛りつけたあとにしぼり汁を少し加えます。
少しならにおいも平気ですし、大根おろしらしさも失いません。
・食べる直前におろす
大根おろしは、おろしてから10分経っただけでにおいが出てくると言われています。
面倒ですが、食べる直前におろすようにしましょう。
・ポン酢、レモン汁、酢を入れる
これらを入れると、においが発生しません。
レモン汁や酢は、大根おろしの変色も防いでくれます。
・加熱する
電子レンジで少し加熱すると、においや辛味が和らぎます。
大根おろしを冷たいまま食べたい方は他の方法を使いましょう。
ちなみに、大根おろしの汁が余った場合も活用方法があります。
・味噌汁に入れる
・お肉を漬け込んで、やわらかくする(焼く前に30分ほど漬け込む)
・お米を炊くときに入れて、もちもちにする(お米1合に対して大さじ半分)
汁にもちゃんと栄養があるので、捨てずに使ってみましょう。
大根のにおいの原因
大根のにおいの原因は、「メチルメルカプタン」という成分です。
「メタンチオール」とも言い、化学式だと「CH3SH」となります。
化学が苦手だと、なんだか難しく感じますよね。
この化学式の中で、元素記号の「S」に注目してみましょう。
「S」は、硫黄を表しています。
硫黄は単体では無臭ですが、温泉地などに行くと「卵が腐ったようなにおい」と形容される硫黄の化合物独特のにおいがします。
なので、メチルメルカプタンが臭うことも納得できると思います。
メチルメルカプタンのにおいの例えとしてよく使われるのは、「腐った玉ねぎ」です。
それだけで、強いにおいがあることを想像できるでしょう。
メチルメルカプタンは、大根以外の食べ物や人体の中にもあります。
人間では、口臭やおならのにおい成分の1つです。
また、悪臭防止法や大気汚染防止法で指定されている物質でもあります。
こういったことを知ると、大根を食べたくなくなるかもしれません。
しかし、メチルメルカプタンには効能もあります。
主な効能は、がん予防、血栓予防、解毒作用、抗酸化作用です。
大根のにおいだけではなく、良い働きにも目を向けてみましょう。
さいごに
いかがでしたか?
大根のにおい成分に硫黄が含まれているのには驚きましたね。
においを上手に取り除いて、大根料理を楽しみましょう。
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