料理に使うものの名前って、紛らわしいものもありますよね。
「ブイヨン」と「コンソメ」と「フォンドボー」も、そのひとつ。
ぱっと説明することって、なかなか難しいのではないでしょうか?
そこで今回は、「ブイヨンとコンソメとフォンドボーの違い」「それぞれの使い分け方」について、まとめてみました!
目次
「ブイヨン」と「コンソメ」と「フォンドボー」の違い
「ブイヨン」と「コンソメ」と「フォンドボー」、この三つをごくごく簡潔に言い表すと、
ブイヨン・・・洋風の出汁(だし)
コンソメ・・・フランス料理におけるスープの一種
フォンドボー・・・フランス料理などのソースの基となる、仔牛から取っただし汁
と、なります。
それぞれについて、もう少し詳しく説明していきますね。
「ブイヨン」とは
「ブイヨン」というのは、主にフランス料理に使われる、洋風の出汁を指します。
肉や魚と香味野菜を一緒に長時間煮込み、そのスープだけを取り出したものがブイヨンとなります。
ちなみにスープを取り出す前のものが「ポトフ」。
食卓に並ぶこともある、お馴染みの料理ですね。
私たちがポトフを作る際はそこまで時間はかかりませんが、レストランのシェフたちがブイヨンを作る場合は、多くの時間を必要とします。
鍋にたっぷりの水と大量の材料を投入して、弱火でコトコト煮込み、こまめにアク取りを行います。
早ければ4時間程度、長いものだと1日ほど費やして、ブイヨンは完成するのです。
家庭で使うブイヨンは、固形や顆粒タイプで料理にささっと使えるものが多いですが、実際にレストランで作る場合は、たくさんの時間や費用、手間暇がかかるものなんですね。
「コンソメ」とは
「コンソメ」はフランス料理におけるスープの種類のうちのひとつです。
先程出てきた「ブイヨン」に、肉や野菜を加えて味を調え、澄んだスープに仕上げたもの。
ここでポイントなのが、コンソメは澄んだ琥珀色のスープでなければならない、いうこと。
濁っているものは「コンソメ」という名前にならないんだそうです。
良い香りがして食欲を刺激してくれるため、料理の付け合わせとして出されることが多いスープです。
「ブイヨン」と「コンソメ」の混同について
しかし、日本ではブイヨンとコンソメを混同している人がいるのも事実。
これはいったいどうしてなのでしょうか?
これは1967年に味の素株式会社が発売した、“「コンソメ」という名の固形ブイヨン”の存在が大きいと思われます。
黄色と赤のパッケージでおなじみの味の素のコンソメは、料理の味付けに使ったり、お湯で溶かしてそのままスープとして飲んだりといった使い方ができます。
しかし、この正体は実は「ブイヨン」であった、ということ…。
ややこしいですね^^;
また、1978年にカルビー株式会社から発売された「ポテトチップス・コンソメ(コンソメパンチ)味」にも、同じような現象が見られます。
このポテトチップスにまぶしてあるのは、実はブイヨンの粉末なのです。
こういったことから、日本ではブイヨンとコンソメの混同が起きているのではないかと思われます。
「フォンドボー」とは
「フォンドボー」は主にフランス料理のソースの基となる、茶色いだし汁のことです。
焦げ色が付くまで焼いた仔牛のスジや骨に、ブイヨンや水を加えて、弱火でコトコト煮込みます。
これに香味野菜やスパイス、トマトを加えてさらに煮込み、最終的に茶色いだし汁に仕上げます。
フランス料理ではいろいろなだし汁を使いますが、中でも「フォンドボー」は代表的なものだと言えます。
コンソメ、ブイヨン、フォンドボー…それぞれの使い道
三つの違いについて、お分かりいただけたでしょうか?
ちょっと紛らわしいものもあるので、ここではそれぞれの使い道についてご紹介したいと思います。
ただ、「ブイヨン」と「コンソメ」については特に混同しやすいので、ここでは、
ブイヨン・・・味の素のコンソメを含む、洋風だし
コンソメ・・・コンソメスープ
として、お話していきたいと思います。
ブイヨンの使い道
ご飯、スープ、麺類…。
ブイヨンはいろいろな料理にコクを出したり、味をまろやかにしてくれる、頼れる一品です。
固形タイプは1個に対するグラム数が分かりやすいので軽量の手間が省ける反面、水気のない料理には溶けにくいため、スープやシチューなどの煮込み料理に向いています。
顆粒タイプは少量からでも使えますし、水分が少ない料理でも使えるので、ポテトサラダやピラフ、ハンバーグなどの料理に向いています。
先程もお話したとおり、カルビーのポテトチップス・コンソメ味にまぶしてあるのはブイヨンの粉末なので、家庭で作ったポテトチップスやフライドポテトに振りかければ、子供が喜ぶおやつに大変身!
甘じょっぱいのがお好きな方なら、バニラアイスに少量振りかけてみても良いかもしれません。
コンソメの使い道
ここで話す「コンソメ」とはコンソメスープのことなので、そのまま食卓に並べて、スープとして楽しむのが良いでしょう。
また、コンソメスープはフォンドボーの代用としても使えます。
多少作り方は異なりますが、コンソメスープもフォンドボーも材料が似ているので、「料理にコクを出すもの」としての使い方は出来るのです。
ただ、コンソメは水分が主ですから、フォンドボーとは濃さが全然違って、味もかなり薄くなります。
コンソメスープで代用する場合は、そこに自力で調味料を加えるなどの工夫が必要になるため、少々難しいかもしれません。
フォンドボーの使い道
フォンドボーは主にフランス料理で使われ、本格的なシチューやソースが作れます。
他にも料理の隠し味として使われることもあるようですよ。
・ソースを作る
フランス料理にはいろいろなソースが使われていますよね。
よく聞くのは赤ワインソース。
これもフォンドボーを基に作られています。
他には、マデイラソース、ポルトソース、エスパニョールソース…いろいろなソースに使われています。
・シチューのベースに使う
フォンドボーをベースに、トマトソースやデミグラスソースなどと一緒に、お好みの具材を入れて煮込めば、本格的なシチューの出来上がり。
フランス料理のレストランで出てくるようなシチューを、家庭でも楽しむことができますよ。
また、市販のシチューやカレーの素にも、フォンドボーが入った状態のものがあります。
これを使えば手軽に本格的な味わいのシチューやカレーができますので、試してみてはいかがでしょうか。
・隠し味に使う
フォンドボーは主にソースの基として使うことが多いのですが、コクや深みが出るので、隠し味としてもよく使われています。
カレーやスープ、意外なところで和食にも使われることがあるんだとか。
お鍋の時期にはすき焼きなどに少量使ってみるのもアリだそうですよ♪
まとめ
ブイヨン=洋風の出汁(だし)
コンソメ=フランス料理におけるスープの一種
フォンドボー=フランス料理などのソースの基となる、仔牛から取っただし汁
といったふうに、この三つは似た要素を持ちつつも、違うものだということが分かりました。
特にブイヨンとコンソメは間違いやすいので、注意が必要ですね。
それぞれの使い道を理解して使い分ければ、それぞれの良さを引き出すことができますよ。
フライドポテトに粉末ブイヨンは、個人的に試してみたいですね^^
せっかくの機会なので、皆さんも試したい使い方があれば、是非チャレンジしてみてくださいね!
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