寒くなってくるとあたたかいスープが恋しくなりますね。
とろみが付いたものだとお腹も膨れるので、満足感があります。
とろとろのスープと言えば「ポタージュスープ」を思い出しますが、冷たい「ヴィシソワーズ」とは、温度以外に何か違うところがあるんでしょうか?
そこで今回は「ポタージュとヴィシソワーズの違い」についてまとめてみました!
目次
「ポタージュ」と「ヴィシソワーズ」の関係性
「ポタージュ」はフランスでは「ブイヨンスープ全般」を指します。
ですので、コンソメスープやブイヤベース、ポトフ、ブイヨンなんかも、「ポタージュ」の仲間になります。
そして「ヴィシソワーズ」も実は「ポタージュ」のうちのひとつ。
これが「ポタージュ」と「ヴィシソワーズ」の関係性になるんですね。
もう少し詳しくご説明しますね。
「ポタージュ」とは
先程もお話したとおり、「ポタージュ」とはフランスでは「ブイヨンスープ全般」のこと。
この中で、とろみの付いたものは「ポタージュ・リエ」、とろみがなく澄んだものを「ポタージュ・クレール」と呼びます。
「ポタージュ・リエ」の「リエ」とは、フランス語で「つなぐ」という意味があり、ブイヨンをベースに小麦粉などのつなぎを加えて、濃厚なスープに仕上げたものになります。
ですので、日本でよく見かける「ポタージュスープ」は、この「ポタージュ・リエ」にあたりますね。
家庭で作るほかにも、レストランで注文できたり、粉末スープやレトルト食品などとしても売り出され、スープの中でもメジャーどころ、といった感じではないでしょうか。
「ヴィシソワーズ」とは
一方で「ヴィシソワーズ」は「ポタージュ」の仲間で、とろみが付いているので「ポタージュ・リエ」の方になります。
ポロネギ(リーキ)という野菜とジャガイモを炒めて、ブイヨンを加えて煮たものを、裏ごしして生クリームを加えて冷やしたもので、口当たりがクリーミーな冷製スープです。
「ヴィシソワーズ」という名前は、フランス語で「ヴィシーの」という意味。
「ヴィシー」というのは、ヴィシソワーズの考案者である「ルイ・ディア」という人物の故郷の名前に由来しています。
ルイ・ディアはニューヨークでも有名なホテル「ザ・リッツ・カールトン」の料理長で、屋上レストランのオープンに合わせて作る新メニューとして、彼が幼かった頃に故郷の母親が作ってくれたポロネギとジャガイモの冷たいスープをもとに、ヴィシソワーズを考案しました。
彼の故郷はフランスのヴィシーなので、「ヴィシソワーズ」と命名されたわけなんですね。
フランス料理でありながらも、アメリカ生まれ、というところが、ちょっと面白いなあと思います。
ちなみに、ヴィシソワーズが開発されたのは1917年なので、比較的歴史の浅い料理ということになります。
ヴィシソワーズの材料「ポロネギ」って何?
ヴィシソワーズの材料には「ポロネギ」というものが含まれますが、日本ではあまり聞きなれない名前ですよね。
ポロネギは別名「リーキ」とも呼ばれ、地中海原産の野菜です。
その名の通り、太めの白ネギのような形をしていて、特有の辛味と臭いがあります。
主な成分は炭水化物、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、食物繊維など。
食用効果としては殺菌作用、消化器系の浄化、血行促進、食欲増進、などが挙げられます。
食事時に食べるスープとしてもピッタリという訳ですね。
また、ネギは風邪のときにも良いとされるため、ヴィシソワーズを作って飲ませるのも良いかもしれません。
冷たいので、熱で火照った体にも丁度良いですよね。
そもそも「スープ」って何だろう?
日本では古くから「一汁三菜」と言われているように、食事時にはよく汁物が付いてきます。
「汁物があると口内が潤って食事がしやすくなる」という観点からごはんと一緒にみそ汁やスープを飲むのですが、汁物の中の食材の食用効果を活かしたり、その栄養分を吸収したりと、「食事のお供」としても十分優秀なメニューなんですね。
広い意味ではみそ汁やお吸い物、出汁やつゆまで、「スープ」のうちに入るのですが、だいたいは「欧風の汁物料理」のことを指します。
調理の課程で食材が炒めたり煮込んだりしてあるので、具材も柔らかくて食べやすくなっています。
ですので、歯や消化器官が弱い、子供やお年寄りにも最適な料理と言えますね。
また、ヴィシソワーズのように冷たいものも、ポトフのような温かいものもあるため、年中美味しく食べられることから、食文化としてもスープは発達していったのです。
スープの正しい食べ方
そんなスープですが、家で食べるときはともかく、外で、とりわけレストランや冠婚葬祭の場で食べる場合、作法が難しいですよね。
そこで、かしこまった場での正しいスープの食べ方をご紹介します。
この機会に覚えて、参考にしてくださいね!
スプーンの持ち方・使い方
背筋を伸ばして椅子に腰かけます。
スプーンの柄の半分から上のあたりを、親指・人差し指・中指で軽く持ちます。
脇を締め、肘は曲げた状態で、肘から先の部分を動かすようにしましょう。
スープを掬い取るときは、一気にたくさん取るとこぼれやすくなりますから、注意が必要です。
スプーンのだいたい7~8分目くらいを目安にスープを掬うと良いですよ。
掬うときはスプーンで音を立てないように気を付けましょう。
スープの食べ方
スープは音を立てて飲んではいけません。
スプーンを下唇に当てるように、流し込むようにして食べるようにしましょう。
スープが熱い場合は少量ずつ掬うと、冷めるのが早くなるので、食べやすくなりますよ。
スープの掬い方ですが、日本では「手前から奥に掬う」といった英国式の作法が主流になっているので、それに倣うと良いでしょう。
スプーンの置き方
スープを食べている途中に他の料理を食べたい場合、スプーンの柄をお皿の右縁にかけておきます。
また、スープが飲みきれなくて残したい場合は、スープ皿の下の受け皿にスプーンを置きます。
受け皿の手前、スープ皿の前に置くと良いですよ。
お店の人に軽く右手を上げるなどのサインを出して、「下げてください」と伝えるのもOK。
スープを飲み終わったら、受け皿の手前に置くか、スープ皿の中にそのままスプーンを置いておけば大丈夫です。
まとめ
「ポタージュ」とはフランスでは「ブイヨンスープ全般」のことで、「ヴィシソワーズ」はその中のひとつの「ポロネギとジャガイモの冷製スープ」のことでしたね。
ヴィシソワーズの材料である「ポロネギ」は、地中海原産のネギのこと。
栄養がたくさん詰まった、体に良い野菜です。
そんなスープは、調理の課程で具材が柔らかくなっているので、子供にも大人にも優しい料理と言えるでしょう。
栄養がたくさん詰まったスープを、今日の献立に一品、追加してみてはいかがでしょうか?
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