秋に獲れる魚の代表であるサンマ。
塩焼き、蒲焼き、生姜や梅と一緒に煮てもおいしい魚です。
秋以外でも見かけますが、やはり10月頃からが旬であり、食卓に上がる機会も増えます。
そんなおなじみのサンマですが、他の魚と同じように寄生虫が付いていることがあります。
頻繁に食べる魚に寄生虫がいると聞くと、不安になりますよね。
では、体にはどんな影響があり、取り除くにはどうすれば良いのでしょうか。
サンマにつく寄生虫と予防・対処方法をご紹介します。
目次
サンマにつく寄生虫の種類
◎サンマヒジキムシ
ひじきのような、黒いひも状の寄生虫です。そのままの名前ですね。
体長は7cm程度です。もっと大きくなることもあるようです。
頭をサンマの体に食い込ませています。体表にいるので分かりやすいです。
食べてしまっても体に影響はありません。
◎ラジノリンクス
サンマの内臓に寄生します。体長は2~3cmで、赤色です。
肛門から出ていることもありますが、外から見つかることは少ないと思ってください。
食べるときに見つかることが多いです。赤いので目立ちます。
こちらも体に悪影響はありません。
◎サンマウオジラミ
こちらも名前に「サンマ」が入っている寄生虫です。体長は1cmもありません。
黒色で、サンマの体表にいて血液を吸います。
簡単に取れてしまうので、私たちが見ることはほとんどありません。
この寄生虫も無害です。
危険なのはアニサキス
サンマにつく寄生虫で有害なのはアニサキスです。寄生虫の中でも有名ですね。
サンマ以外の魚にも寄生します。体長は2~3cmで白色です。
肉眼で見ることができます。成虫ではなく幼虫です。
宿主が死ぬと内臓から筋肉に移動します。身にいることもあるので要注意です。
食べても排泄されますが、お刺身で食べた場合胃や腸壁に入り込むことがあります。
中毒症状は、「胃アニサキス症」、「腸アニサキス症」、「腸管外アニサキス症」です。
激しい腹痛と吐き気、嘔吐、じんましんなどがあります。
アナフィラキシーショックを引き起こしてしまうこともあります。
多くは違いますが、アニサキスが消化管の壁を貫通することもあるそうです。
想像しただけで痛いですし、ゾッとしますね。
また、稀なケースですが、アニサキスの死骸でもアレルギーが起こることがあります。
アニサキスの生死に関わらず、アレルギー源になることを覚えておいた方が良さそうです。
サンマの寄生虫による健康被害の予防・対処方法
◎サンマヒジキムシ
サンマヒジキムシは、流通するまでに取り除かれていることが多いです。
しかし、取りきれていないこともあり、冷蔵庫に入れている間に出てくる場合があります。
見つけたときの取り方は、ただ引っ張るだけです。
サンマヒジキムシがついていたサンマの体には、穴が開いています。
しかも、複数個開いていることもあります。
いくら害がないと言っても、穴が開いているサンマはあまり買う気にはならないですよね。
体内に残っていることもあるので、注意しましょう。
◎ラジノリンクス
外に出ていれば手で取れば良いですが、先述した通り内臓にいることが多いです。
食べるときに赤いものがないかどうか確認しましょう。
どうしても気になるなら内臓を取ってから調理してください。
食べてしまっても無害ですが、サンマの加熱が不十分なときは注意が必要です。
生きているラジノリンクスが喉に引っかかったという例があります。
そんなことになったらトラウマになりそうで嫌ですね。
◎サンマウオジラミ
サンマの体に黒い斑点があったら、それはサンマウオジラミがついていた痕です。
こちらも何個もついていることがあります。
サンマウオジラミ自体は水で落とせますが、痕は消えません。
サンマヒジキムシの穴よりはマシかもしれませんが、購買意欲は落ちそうですね。
◎アニサキス
サンマの身で血合いのように赤くなっている場所にはアニサキスがいるかもしれません。
見つけたら取り除きましょう。アニサキス自体も見えるので手で取れます。
アニサキスの心配をせずに食べるには、「加熱」か「冷凍」をおすすめします。
ただし、冷凍庫の温度が-18度のときは48時間以上の冷凍が必要です。
買う際に新鮮なサンマや内臓処理済みのサンマを選ぶことも大切です。
内臓を取る場合はできるだけ早く処理しましょう。
まとめ
サンマの寄生虫で特に警戒すべきなのはアニサキスだということが分かりました。
他の魚を食べるときにも気を付けたいですね。
鮮度はもちろんですが、穴や斑点がない綺麗なサンマを選びましょう。
それだけでだいぶ寄生虫を防げるのではないでしょうか。
もしお刺身で食べたいなら、自己判断せずお店に相談した方が良いです。
寄生虫のことも頭に置きつつ、けれど心配しすぎず、存分にサンマを味わってください。
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