身近にいる生き物の1つとして人気なのが”メダカ”です。
昔からお手ごろで飼いやすいため小学校の自由研究などで育てた方も多いのではないでしょうか。
しかし、育て方によっては成長過程においてメダカが死んでしまう事も・・・
特に今頃の季節になると、突然メダカが卵を抱えていた!なんて事があります。
メダカの卵をきちんと孵化させるには、それなりにコツが必要です。
せっかく産卵してくれたんだから、出来れば卵を育ててメダカを増やしたいですよね。
それでは、メダカの卵を見つけたらどうすればいいのでしょうか?
有精卵と無精卵の見分け方
メダカが卵を産んでも、ニワトリの卵と同じようにそれが必ずしも有精卵とは限りません。
そこでまず、メダカの卵が有精卵か?無精卵か?の見分け方について説明します。
有精卵と無精卵にはいくつかの違いがあります。
・色の違い
1つめに色が違います。有精卵は色が透明なのに対し、無精卵は少し濁っており、色が白く見えます。
・中の稚魚の様子がわかるようになる
2つめに成長過程における違いです。
有精卵は順調に成長すると黒い目玉がはっきりと分かり卵の中で動くようになります。
しかし、成長段階で死んでしまった卵は無精卵と同じような白カビが生えてきます。
・触った感触の違い
3つめに触った時の差です。
有精卵は卵が割れず弾力がありますが、無精卵は卵が簡単に潰れてしまいます。
■メダカの卵を回収する方法
メダカの特性として、水草や浮き草に卵を植えつける習性があります。
したがって、産卵が近づいてきたら水槽の中に水草を浮かべておき、卵が植え付けられたら別の水槽へと回収しましょう。
ちなみに我が家はそういった産卵のための環境を整えておらず、気が付いたらもう産卵してしまっていたので水底に転がっていました^^;
その時はプリンを買うともらえるようなプラスチック製の小さいスプーンで回収しましたが、水の抵抗をもろに受けて扱いにくかったですね(笑)
かといって魚を捕る用の網は大きすぎてそれはそれで扱いにくいと思います。
台所にある茶こしみたいなのが、小回りも効くし持ち手も付いているしで、ちょうどいいかと思います。
(試したことはないのでわかりませんが)
すぐに回収しなかった場合、成長したメダカが卵をエサと勘違いし食べてしまう恐れがあります。
それは親であっても例外ではありません。
その為にも、別の水槽へと移動させる事が生存率を高める事に繋がるのです。
また、観賞用としてメダカを飼う方の場合、同じ水槽にエビや金魚など他の生き物も一緒に入れている事があるかもしれませんが、他の生き物から見たメダカの卵は「食べ物」なので、やはり親メダカだけでなく他の生き物とも隔離はしましょう。
ただし、シジミはメダカの卵は食べず、また水をきれいにしてくれるので、一緒に入れても問題はないでしょう。
孵化するまでの管理方法
先述したように、孵化するまでは水草などを使用し、自然に近い環境にする事が大事です。
それは、水温(水質)や日照などの環境を適切にする事です。
・水のカルキ抜きはしない
特に家庭で飼う場合においては、水道水を使用する事になるかとおもいますが、水道水に含まれるカルキ(塩素)がメダカにとってストレスになり、あまり長生きしなくなってしまうといわれています。
カルキ抜きとは、この水道水の中に含まれている塩素成分を除去する事を言います。
大人のメダカを既に飼われている方なら「何をいまさら・・・とっくにやってるし`´」という話ですが、実はメダカの卵に限っては、カルキ抜きはしていない水を使ったほうが良いのです。
後述しますが、メダカの卵には水カビが発生しやすいという弱点があります。
しかし、水道水に残留するカルキの消毒成分を利用することで、この水カビの発生を抑えることが出来るのです。
これは、水カビだけでなくその他の卵に悪影響を及ぼす様々な雑菌に対する効果もあります。
要注意なのが、浄水器。
浄水器を通した水は塩素が抜けていますので、あまり意味がありませんのでご注意を。
「カルキが雑菌や水カビに効くのはわかったけど・・・卵そのものに悪影響はないの?」という疑問を感じるかもしれませんが、問題ないんです^^
卵の中の稚魚は、卵の壁に守られているので、塩素の影響を受けることはありません。
ただし、それはあくまで孵化するまでの間の事。
孵化したら、ちゃんとカルキ抜きした水に移し変えましょうね。
・水温を管理する
メダカが孵化するまでに要する日数は、約250℃日と言われています。
「℃日」と聞き慣れない単位が出てきましたが、具体的にいうと「水温×日数」のことを意味しています。
例えば水温25℃の場合は10日で孵化する計算になります。
水温は季節や日照時間によって多少変化しますが、孵化するまでにおおよそ2週間程度の日数を見ておけばよいでしょう。
なお、最適な水温は24~25℃で、孵化まではこの水温をキープしたほうが孵化に成功しやすいとされています。
今の季節は日中こそ20℃を越える日が増えて快適ですが、夜や朝方にがくんと気温が下がるので、水温もおのずと下がってしまう事があります。
その一方で日中に直射日光をずっと浴び続けていると、水温はぐんぐん上昇してしまい、これもまたメダカの卵にとって良くありません。
それがたとえ一時的であってもそういう水温の変化に卵は敏感で、せっかく卵が成長してきて肉眼でも目や尾ひれが確認できたりするまでになったのに、急にダメになってしまった・・・という事も、普通に起こり得る事なのです。
市販のヒーターなどを使って、温度はちゃんと管理するようにしましょう。
・カビが生えた卵はすぐに除去する
メダカの卵は一度に5~20個程度産卵され、だいたい一つの塊になっています。
だんだん卵の成長が肉眼でわかるようになる一方で、中には最初から受精しなかった無精卵が混じっていたり、なんらかの理由で死んでしまった卵も出てくる事があります。
そうした卵には水カビが発生しやすく、一度発生した水カビは元気に成長している卵にまでついてしまい、結局卵を全滅させてしまうおそれがあります。
この水カビは水中にごく当たり前に存在していて、健康な卵には水カビに対する抵抗力もあるので問題はないのですが、弱ったもの、既に死んでいるものには簡単に寄生して増殖してしまうんですね。
白くなってしまった卵を見つけたら、すぐに取り除きましょう。
・カタマリはほぐしてあげる
卵は粘着糸によってひと塊になっていますが、これをほぐしてあげることで、もし水カビが発生した場合にも被害を最小限に抑えられます。
やり方は、手のひらに卵の塊を乗せ、もう片方の手の指先で優しくコロコロと転がしてあげるだけ。
この時に無精卵や死んだ卵は簡単につぶれてしまうので、卵の選別にもなります。
・水を変える頻度や水の深さ
繰り返しになってしまいますが、卵は水カビや雑菌の影響を受けやすいので、新鮮な水道水に1日1回程度は交換したほうが良いですね。
ただ、くみたての水道水はほぼ冷水なので、卵にとっての適温である24℃~25℃に水温を調節してから交換するのを忘れずに。
そして水の深さですが、水面から自然に溶け込む酸素の量を増やすためにも、2~4センチの浅さが良いとされています。
タッパーやお惣菜が入っていた発泡スチロールあたりがちょうど良いです◎
ただ、水深が浅いと酸素が溶け込みやすい反面、カルキはすぐに抜けきってしまうので、そういう意味でもやはり水の交換はこまめにするのが良いですね。
親メダカしか飼ったことのない方にとっては「親と環境違いすぎじゃん!」と感じるかもしれませんが、それだけ卵はデリケートということなんですね。
親と隔離したメダカの稚魚は、どのくらいで同居可能になるの?
卵の時点でエサと勘違いされて食べられるという事を明記しましたが、稚魚になっても油断は出来ません。
また、産まれてから1ヶ月程度でOK!など日にちでの目安での同居はあまりおすすめできません。
同じタイミングで産卵・孵化して同じように育てたメダカでも、成長にはムラが出来るのが自然だからです。
親と同じ環境で飼育してもいいとされる判断は、メダカの体長で見極めるようにしましょう。
目安としては体長1cm以上が必要とされており、1cmに満たない場合はかなりの確率でエサと判断されてしまうので、それまでは同居させないようにしましょう。
まとめ
メダカは卵の時点で成長できるかどうかが見分ける事ができます。
成長過程において、親との隔離や水温・日照時間の調整、水草などの環境をきちんと整える事で、順調に成長していくことができる魚です。
また、ペットショップなどで魚の取り扱いがあるところでは、メダカの飼育に適した水槽や水温調節できるヒーターなどが販売されています。
親子で相談しながら、市販品を上手に活用し、長生きさせてあげられるようにしてあげてください。
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